2019年1月27日日曜日

緩衝材を入れると衝撃が大きくなる?

2019年1月17日(木)につくば本社にて
「落下衝撃試験セミナー」を開催いたしました。

「落下・衝撃試験とデータ解析」をテーマとし、
落下衝撃試験衝撃応答スペクトルの解説をいたしました。
また、試験室見学の時間も設けたことで、
どのような試験が行われるのかを
参加者には実際に自分の目で確認していただけました。
 


「緩衝設計を施せば必ず衝撃値を和らげられる」とお考えの方、
それは大きな間違いです

製品には衝撃応答スペクトル(SRS)というものがあり、
入力加速度以上の加速度を製品に発生させる周波数帯が存在します。

SRSは製品に発生する加速度から解析でき、
その値を用いることで適切な緩衝設計が可能となります。

尚、当社はSRS解析を行う製品としてSM-500がございます。
SM-500は加速度計測機器であり、
瞬時に加速度波形抽出、SRS解析が可能です。
図1 SM-500

図2 加速度波形(合成加速度、X・Y・Z軸)


図3 SR・SRS解析

図3の左の黒線が、衝撃時の入力加速度
赤線が実際に製品に発生した加速度を示しています。
横軸が時間、縦軸が加速度です。

図3の右は、SRSを表しており、
横軸が周波数、縦軸が加速度です。
これは、ある衝撃を加えた際に製品に発生する加速度を、
周波数毎に分類したものです。
この図においては、188.88Hzの衝撃を加えた際に
製品に発生する加速度値が最も高くなることを表しています。

このように、緩衝設計を施したのにも関わらず
衝撃加速度が増幅する可能性があるため
緩衝設計を行うためには事前にSRS解析を行う必要があります。

当社は試験についての相談・試験機販売並びに、
試験スペースの貸し出しを行っております。

お問い合わせは当社HPまで。
https://www.shinyei-tm.co.jp/

神栄テストマシナリー㈱
事業開発部 波夛野諭志

2019年1月21日月曜日

落下試験機の必要性

まず、800mmの高さから落下したペットボトルが
反発後に直立する動画をご覧ください。


こちらは、落下試験機「DTS-80」の動画です。
 
物流において、製品が破損する原因主に3つあります。
 ・輸送中の振動
 ・荷役中の落下
 ・保管中の圧縮
これらのハザード(貨物破損要因)が貨物に印可された場合にも
貨物が破損しないように、包装設計が施されます。

高品質な包装設計を行うにあたって、
包装設計の有効性を検証する必要があります。
その検証試験の一つに、落下試験があります。

落下試験は包装貨物を指定の高さから落下させ、
内容品の破損の有無を検証します。

梱包貨物において1角3稜6面の落下試験を行いますが、
重要になるのが面落下における水平性です。

落下試験は軽い貨物であれば手で落下させることができる試験ですが、そのような試験では高品質な包装設計を行うことが出来ません
 
面落下試験を行う際は、水平度を±2°以内にする必要があります。
傾いて落下した場合、鉛直方向に発生する衝撃加速度が
鉛直方向以外に分散するため、狙った方向へ落下衝撃を与えられず、
甘い試験となってしまいます。
そのため、落下試験を合格したのにも関わらず、
実輸送中に製品不具合が発生する可能性があります。

また、落下事象に再現性がないため、
不具合対策をした包装設計が有効か否かを判断することが出来ません。


そこで重要になってくるのが落下試験機です。
落下試験機は、テーブル上に貨物を積載し落下させることによって、
誰が何度試験を行っても常に同じ姿勢で落下させることができます。
そのことにより、再現性のある衝撃加速度
製品に与えることが可能となります。 
上の動画は、ペットボトルが800mmの高さから落下し、
跳ね返り後に倒れずに直立します。
また鉛直に反発することにより、約8割の高さまで跳ね返っています。
これは、ペットボトルが傾くことなく水平に落下していることを示しています。
 

今まで手で落下試験を行っていた方、
落下試験の試験方法を再検討してみてはいかがでしょうか。


製品の問い合わせは弊社HPの問合せページまで。

神栄テストマシナリー㈱
https://www.shinyei-tm.co.jp/


神栄テストマシナリー㈱
事業開発部 波夛野諭志